心斎亭のこだわり
私たちの仕事は、うなぎという命と正面から向き合うことです。
栄養と活力に溢れた食材であり貴重資源を、最もおいしい状態で
お客様にお届けすること。伝統的な食文化として今後も守ってい
けるよう、美味しく有難く、今日もうなぎをいただきます。
立て場
店内に「立て場」という、うなぎの
泥抜きをする部屋を設けています。
うなぎを専用の桶に入れ、水槽の水を
ポンプで汲み上げながら、1~2日程度
清涼な水にさらしていきます。
この工程を経ることで、体内に残っている
うなぎの泥臭さなどを、体外に排出させます。
私たちの仕事の中でも、最も
大事にしている工程です。
心斎亭ではニホンウナギを使用しています。
気温・天候・うなぎの発育状況などにより、
その時期に最も脂の乗り方が良く、
味がしっかりとしている鰻を見極めて、
『活鰻』と呼ばれる生きたままのうなぎを
仕入れています。
心斎亭では鰻師と呼ぶ熟練の職人が
毎朝丁寧に腹開きしています。
蒸すことで身をフワッとさせる「関東風」
とは違い、「関西風」の心斎亭ではこの捌き
が身具合を決めます。強火で焼いてもふっくら
仕上がるように捌いていきます。
強い火力が特徴の備長炭に拘り、
熟練のうなぎ職人が炭の遠赤外線効果を
最大限に引き出します。
備長炭を使用することで、中に旨味成分を
しっかり閉じ込めながら、表面をパリッとした
食感に、丁寧に仕上げていきます。
「串打ち三年、捌き八年、焼き一生」
と言われるように焼きはうなぎの美味しさを左右する
技であり、最も修練が必要とされています。
捌いたうなぎを有頭のまま串打ちし、強火で
一気に焼き上げます。蒸す工程がない事で
旨味が凝縮されます。この「関西地焼き」で
皮はパリッと、身はサクサクとした
独特の食感に仕上げていくのが心斎亭の味です。
うなぎの食文化を次世代に繋ぐ
うなぎの蒲焼は日本独自の食文化で、祖先は縄文時代からうなぎを食べています。
江戸時代初期にはすでに蒲焼専門店が登場し、今日までその技と味を守ってきました。
私達が長年親しんできたニホンウナギは近年、捕獲量は低い水準にありますが、
今後もうなぎを残していけるよう、漁業関係者による取り組みが進んでいます。